口腔外科とは
口腔外科はその名の通り、口の中やその周囲の外科処置を専門に行う診療科であり、歯茎の中に入り込んでいるために歯茎を切開する手術が必要な親知らずの抜歯や、動脈や神経に近いところなどの難しい外科手術が必要となる抜歯といった、歯が原因となる外科処置だけでなく、上顎洞炎、顎骨周囲の骨折や、顎の骨にできた腫瘍などの疾患、口唇裂や口蓋裂などの先天的な疾患や口腔癌まで様々な処置を行います。
また交通事故やスポーツなどの急な外傷などのほかにも、口腔粘膜疾患や神経性疾患、口臭症などの内科的疾患も含まれます。また多くの口腔外科は大学病院などと併設してあることが多いので、糖尿病などの全身疾患をお持ちの患者さんの治療も行います。
歯科とは
歯科の分野は法律により大きく4つの診療科に分類され、一般歯科、小児歯科、矯正歯科、歯科口腔外科に分けられます。近年では美容診療やインプラント歯科を専門とする歯科医院も増えています。その中でも歯科が診療科の中で最も多く、その中でも特に民間のクリニックに勤務する歯科医師の割合が圧倒的に多いです。主な処置は、虫歯や歯周病の治療や、医科の小児科と同じように、子どもを専門にまたは中心にした予防や保健指導や治療、さらに歯並びや噛み合わせなどの矯正、虫歯を削った歯や欠けたり抜けてしまった歯の詰め物や入れ歯の製作や装着など主な内容です。さらに虫歯の治療などの処置だけでなく、学校などでの歯科検診や歯科衛生士による保健指導を行うことも重要な役割です
口腔外科と歯科の違い
外科的処置を行う
歯科医と口腔外科医の違いは、口腔外科は口腔内や口の周りの外科処置を専門とする 診療科であり、虫歯や歯周病や入れ歯などの一般歯科を専門とする診療科が歯科医なのです。しかし口腔外科の治療内容は、例えば親知らずの抜歯の場合、親知らずが顎の骨に対して真っ直ぐ生えていて、歯茎や骨の中に埋まっていなければ歯科医院での抜歯が可能です。しかし歯の一部が歯茎に埋まっている場合(埋伏歯)や、歯が斜めに生えている場合は、外科的な処置が必要となるため口腔外科で抜かなければいけません。つまり口腔外科は、医科と歯科の中間に位置しているような分野ともいえます。また、口腔外科は治療範囲や症状によっては耳鼻科の医師との連携が必要となるなど、治療内容や範囲によっては医科との繋がりが非常に強くなる分野でもあるために、医師免許を持っており、尚且つ口腔外科を中心に医療提供をしている医師や、大学病院などの総合病院にある歯科の場合、一般歯科といった表記ではなく口腔外科として表記されたりすることもあります。
口腔外科と歯科における歯科衛
歯科衛生士においては、歯科衛生士の多くは歯科医院で勤務しており、虫歯や歯周病の予防、歯科医師のサポートなどが主な仕事ですが、口腔外科での歯科衛生士の仕事内容は、糖尿病などの全身疾患を患っている患者さんや舌癌の患者さんなどの一般歯科では治療が難しい患者さんの治療のサポートが主な仕事です。さらに入院される患者さんもいるため、入院中の患者さんに対して歯磨き指導などの適切な口腔ケアが必要となります。
歯科は虫歯や歯周病などの歯の治療をおこなうことがメインであり、口腔外科では口腔内、及び顎などの口の周りの外科的処置の治療をおこなうことがメインとなりますが、いずれにしても同じ歯科医師免許を持った歯科医師がおこなうことができる分野となるのです。