口の中の腫瘍|大分県別府市の新港イトセ歯科

口の中の腫瘍(口腔がん)

口腔内の腫瘍は、他の臓器と同様に良性腫瘍と悪性腫瘍に分けられます。それらの発生する部位や組織の種類によって細かく分類し、これらの種類によって治療法や治療後のケアが異なります。良性腫瘍は、再発が少なく転移もしないので命に関わることはほとんどないのですが、稀に悪性腫瘍に変化する場合もあるため、良性とはいえ注意が必要です。

一方、悪性腫瘍である口腔がんは、命に関わる重大な疾患であると共に、再発や転移の危険性があります。口腔からは首のリンパ節や肺などに転移を起こすことが多く見られます。また口腔がんは舌にできる舌がん、歯茎にできる歯肉がん、舌と歯茎の間にできる口底がん、唇にできる口唇がん、口の天井にできる硬口蓋がん、頬の内側にできる頬粘膜がんなどが含まれます。その中でも舌がんが発症頻度がもっとも高く、口腔がんの約40%を占めますが、がん全体の2%ほどしかありません。悪性腫瘍には色々な部位によって症状は異なりますが、病気の進行が速く腫瘤がすぐに大きくなり、周りが硬い周囲と癒着しているために腫瘍部分の境目がハッキリしないことや、他の部位に転移しやすいなどの共通の性質があります。

口腔がんの原因

喫煙や飲酒は口腔がんの発症リスクを高めます。そのほかの原因として、歯列不正、虫歯や不適合義歯による慢性刺激も原因として疑われています。

口腔がんの症状

口腔がんは発生する部位や進行度によって症状はさまざまですが、初期の口腔がんは、痛みや出血などがほとんどないため自覚症状がないことが多いです。症状としては白く硬いしこりが出来る場合が多いのですが、口内炎にも似ていることから初期段階ではなかなかご自身での判断が難しいです。しかし、2週間以上塗り薬や服薬をしても治らない口内炎の場合は注意が必要なため、専門機関での検査をお勧めいたします。 また初期段階での発見が難しいことから、気づいた時にはがんが進行していて、首のリンパ節などに転移している場合もあります。

進行が進むにつれて咀嚼障害や嚥下障害、話す時に発音がしづらくなったり、口が開けづらくなったりします。また首のリンパ節に転移してしまった場合、リンパ節が腫れたりします。さらに進行すると、肺や骨、肝臓など他の臓器にも転移してしまい、全身の症状が見られるようになります。

口腔がんの治療法

治療法はがんの部位や患者さんの年齢、合併症や患者さんの健康状態に基づいて、慎重に治療の方法を選択します。口腔がんの治療法には、主に外科療法が中心となりますが、放射線療法や抗がん剤による化学療法、痛みや精神的な苦痛に対する症状緩和を目的とした緩和治療などがあります。

外科療法

外科的な手法でがんを取り除く治療法はがん全体と周囲の正常組織の一部を切除する局所切除術をおこないます。もしも、がんが骨にまで進行している場合は、骨組織の切除もおこなう場合があります。首のリンパ節などに転移がある場合は頸部郭清術をおこないます。また、がんの切除範囲が大きい場合は術後の機能低下をできるだけ防ぐために、患者さんの体の別の部分からの組織を移植する再建術もおこなわれます。顎の骨を切除した場合は、再建用の丈夫なチタンプレートで顎の輪郭を回復したり骨移植や特殊な入れ歯で穴を塞ぎます。

放射線療法

放射線を体の外から患部めがけて照射して癌細胞を破壊する方法ですが、口腔がんに対しては放射線療法単独で治療されることは少なく、化学療法と組み合わされておこなわれます。また術後治療など手術の補助療法として放射線外照射療法をおこないます。 近年では術後の後遺症を低減させるため、首のリンパ節の機能を温存を目的とした組織内照射という特殊な放射線治療をおこなう施設もあります。副作用として、口内炎や皮膚炎、体の倦怠感や食欲不振、嘔気などの症状があります。

化学療法

化学療法では、転移に対して抗がん剤を静脈注射や動脈注射または内服により治療をおこないます。抗がん剤は血流に乗って全身を巡り、転移したがん細胞にも効果が期待できます。抗癌剤のみで肺癌を完治させることはほとんど不可能ですが、がんの範囲を小さくしたり、がん細胞の進行を抑えたり、がんの転移を防ぐといったことが期待されます。 抗癌剤は正常細胞をも痛めてしまうため、様々な副作用があります。

嘔気、食欲不振、下痢や便秘などの消化器症状、白血球や血小板の減少、手足の痺れや脱毛、心臓機能障害、腎・肝機能障害などがあります。これらの対策として、制吐剤ほか薬剤や点滴、各種感染対策などがおこなわれます。薬の種類や個人差によって差があるため症状が異なるため、治療を始める前に担当医師の話をしっかりと聞くようにしましょう。

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