インプラント治療のメリット
歯本来の機能や見た目の美しさを取り戻すことができる。
インプラント治療は、顎の骨にインプラント体を直接埋入するため、骨結合により、噛む力が天然の歯とほとんど変わりません。そのため、何でも食べることができるので、食事を楽しむことができます。また、使用される人工歯は、ご自身の歯に近い見た目の素材を使用し、形も整えるため自然な仕上がりになります。
他の歯への負担が少ない
失った歯の他の治療法であるブリッジ治療の場合は、失った歯の両隣の健康な歯を削らなければならないため、健康な歯の寿命が短くなってしまいやすいです。しかし通常のインプラント治療は、失った歯の箇所の顎の骨にインプラント体を一本一本埋入するため、隣の健康な歯を傷つけることがありません。
インプラント治療のデメリット
外科手術が必要
インプラント治療は、局所麻酔をおこない顎の骨にインプラント体を埋入する外科手術を伴うため、身体的負担がかかってしまいます。また、手術であることからリスクも少なからず考えられます。顎やその周辺には多くの神経や血管などが通っていることから、綿密な検査や診断、そして医師の高度な技術が重要になります。
費用が高額になる
インプラント治療は、基本的に保険適用外治療(自由診療)となるため、費用は全て自己負担になってしまいます。また自由診療となるため、医院によって費用が異なります。そのため、保険適用治療の入れ歯やブリッジ治療に比べると、費用が高額になってしまいます。
治療期間が長くかかってしまう
インプラント治療は、顎の骨にインプラント体を埋入してから、インプラント体と骨がしっかりと結合するために約3ヶ月〜6ヶ月の治癒期間を要し、結合が確認されたら上部構造を取り付けます。また、顎の骨に量が足りない場合は、骨造成や骨移植の処置をおこなってから治療を開始するため、他の治療法に比べると治療期間が長くなってしまいます。
インプラント治療が受けられない場合もある
インプラント治療は、誰でも受けることができるというわけではありません。糖尿病や骨粗しょう症、心疾患などの全身疾患の方は、インプラント治療の失敗を招くだけでなく、病状を悪化させてしまう危険性もあるため、基本的にはインプラント治療は受けることができません。しかし、症状の改善が確認され、主治医からインプラント治療をおこなうこと許可を得た場合は、インプラント治療が可能ですが、歯科医師にも事前に病気のことを必ず伝えるようにしましょう。
他にも、インプラント治療は、子供や現在妊娠している方は治療を受けることはできません。子供の場合、顎の骨が成長過程なので顎の骨の厚みや形状が変化していく可能性が高く、埋入したインプラント体が正しい位置からずれてしまい、他の歯にインプラントが当たってしまうといった場合が考えられます。そのため、一般的には顎の骨の成長が終わる成人からインプラント治療を受けることが良いとされています。
妊娠している方は、インプラント手術に使用する麻酔や、術後に処方される抗生物質や痛み止めの薬が、母体や退治に悪影響を及ぼす可能性があります。インプラント治療を希望される場合は、出産、卒乳してからおこなうようにしてください。
インプラントを長く使用するために
適切なセルフケアをおこないましょう
インプラントは虫歯になりませんが、インプラントの歯周病であるインプラント周囲炎になってしまいます。歯周病菌に感染することによって、インプラントを支える歯槽骨が溶かされてしまうため、インプラントの寿命を短くしてしまいます。そのため、ご自身での毎日の正しい歯磨きなどのセルフケアがとても大切です。歯磨きの際に、歯間ブラシやデンタルフロスなどを併用することで、より効果的に汚れを取り除くことができ、口腔内を清潔に保つことでインプラントを長く快適に使用することができます。
歯科医院での定期的なメンテナンスをおこないましょう
ご自身でのセルフケアだけでは、どうしても全ての汚れを取り除くことができません。そのため、歯科医院での定期的なメンテナンスをおこなうことが重要なのです。メンテナンスでは、インプラントの状態の確認や、虫歯や歯周病の有無、噛み合わせなどをチェックして、目視で確認できない顎の骨などはX線撮影をおこない、状態に応じて治療や調整をおこないます。また、歯のクリーニングでは、ご自身では取り除くことができない歯茎の中の歯石や、細菌の集合体であるバイオフィルムも、医師や歯科衛生士が専門の機器を使用したクリーニング「PMTC」によってキレイに除去することが可能です。さらにフッ素塗布をおこなうことで、歯を強くして汚れが付着しにくくなります。インプラントを長く快適に使用するために、定期的なメンテナンスを必ずおこなうようにしましょう。