メンテナンスの重要性
インプラント手術後は、一度失った歯を取り戻すことができるため、美味しく食事をすることができ、毎日を快適に過ごすことが可能となります。しかしインプラントの治療が終わったとしても、ご自身での日々のお手入れや、定期的な医院でのメンテナンスがとても重要となります。
インプラントを長持ちさせるにはメンテナンスが重要です。定期的なメンテナンスは、インプラントのトラブルを早期に発見できるだけではなく、お口の中の状態をチェックすることにより、お口の中の健康維持にも繋がります。しかしその後のメンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎などのリスクを高めてしまい、場合によっては治療が必要となったり、最悪の場合インプラントが脱落してしまい、再手術となってしまう場合もあります
インプラント手術後のメンテナンス
インプラントを手術をした直後は、まだインプラントが骨に定着していないため不安定な状態ですので、手術後、数日間は硬い食べ物や熱いもの、刺激のあるものはできるだけ避けてください。飲酒などのアルコールは血行が良くなり出血しやすくなるため、当日の飲酒はおやめください。
また、喫煙は血行が悪くなるため、最低でも手術が終わるまで禁煙しましょう。(喫煙する方は、インプラントを長く使用するためにも、手術を良い機会として禁煙することをお勧め致します。)
メンテナンスとインプラント周囲炎
インプラントは虫歯にはなりませんが歯周病にはなります。メンテナンスを怠ることにより、インプラント周辺に歯垢や歯石がついてしまうと、そこから歯周病に似たインプラント周囲炎という細菌感染を起こしてしまいます。インプラントの歯は神経がないため、インプラント周囲炎は初期の自覚症状がなく、気づかずに放置してしまうことが多いです。
また進行するのが非常に速く、歯周病の10~20倍の速さで悪化していくため、気付いた頃には症状がかなり進行している場合が多いのです。 インプラント周囲炎を防ぐためには、日頃の歯磨きが大変重要です。毎日きちんと正しい歯磨きを行い、インプラントの周囲を清潔に保つなどの、ご自身でのセルフメンテナンスの徹底をしましょう。
歯科医院で行う主なメンテナンス
定期的な歯科医院で行う主なメンテナンスとして以下のようなものがあります。 ・インプラントのゆるみやぐらつきの確認や、歯肉や粘膜の状態などの口腔内の状態を確認します。 ・噛み合わせはとても重要です。噛み合わせのバランスが悪いと、一定の歯に大きな負担をかけてしまい、インプラント本体や人工歯が破損してしまうこともあります。さらに虫歯や歯周病のリスクを高めてしまい、結果的に歯の寿命を縮めてしまいます。そのため、正しい噛み合せの調整を行い、インプラントに負担がかかっていないかをチェックします。
・レントゲン撮影をすることにより、インプラントが骨としっかり結合しているかどうかを確認します。また他の天然の歯の虫歯や歯周病の確認もできます。
・日頃の正しい歯磨きをしていても歯周ポケットたまった歯垢を取り除くことは容易ではないため、通常のご自身の歯磨きだけでは除去が難しいところの歯垢や歯石を取り除きます。
・磨き残しをなくすための正しい歯の磨き方のほかデンタルフロスやプラウトブラシ(先端の細いブラシ)などの使い方の指導を受けます。
保証と定期的なメンテナンス
インプラントはしっかりと徹底したメンテナンスを行っていれば、長く快適に使用することができる治療法です。しかし万が一、何らかのトラブルなどが発生した場合はインプラントの保証制度を使用することができますが、それも定期的にメンテナンスを受けていることが条件となっています。定期的なメンテナンスを怠った場合は、保証を受けられなくなります。トラブルが発生した際の治療が有償になってしまうのです。
当院では治療後、最大で10年間の保証制度があります。また当院はノーベルバイオケア社製のインプラント使用しており、ノーベルバイオケア社には10年間の保証プログラムがついています。埋入時から10年間の間に、埋入された骨から脱落、破折が発生した場合、そのインプラントに加えて、脱落、破折時にインプラントに使用されていた修復用コンポーネントを同一のノーベルバイオケア社製のインプラントおよび修復用コンポーネントに無償で交換することが可能となっております。