インプラント治療は失ってしまった歯を取り戻すために、失った部分の顎の骨にインプラント体を埋入する治療法です。そのため、多くの歯を失った方や歯が全くない方のインプラント治療は、埋入するインプラント体の本数が多くなってしまうため、どうしても費用的・身体的負担が大きくなってしまいます。そういった負担を軽減するためのインプラント治療の治療法の一つに、オールオン4という方法があります。オールオン4は歯が1本もない状態でも、顎の骨に4本のインプラントをバランスよく埋め入れることで、10~12本の固定式の人工歯を支えることができる治療法です。そのため、通常の治療に比べても外科手術による身体的負担が軽減されるだけでなく、費用も抑えることができるため、費用的負担の軽減も可能となります。
オールオン4が向いている人
歯が1本も無い状態
歯を失うと顎の骨が次第に痩せていく、骨吸収が始まります。そのためインプラント体を埋入するための顎の骨の量が十分ではないことがあります。その場合、インプラント治療の前に骨造成手術が必要となるため、身体的負担が大きくなってしまいます。しかしオールオン4では、4本の人工歯根を埋入すれば10~12本の歯を全て支えることが可能になるため、骨の状態が良いところを選んで埋込することができます。そのため骨吸収が進んだ歯が1本も無い方には、通常のインプラント治療よりも、オールオン4の方が向いているといえるのです。
残っている歯を治療をしても今後残すことが難しい方
現在残っている歯のほとんどが、虫歯が進行してしまったために歯根まで欠けてしまっている場合や、重度の歯周病のために歯のほとんどが大きく揺れている場合なども、オールオン4が向いているといえます。その場合、インプラントを埋入する前に事前に抜歯をおこなうことで、オールオン4が可能になることがあり、顎の骨吸収も防ぐことができます。(患者さんの状態や顎の骨の状況によっては難しい場合もあります)
総入れ歯が合わない方
総入れ歯は、使用していくと顎の骨吸収が進んでいき、痩せてしまうため徐々に合わなくなっていきます。合わなくなってしまった入れ歯は、咀嚼の際に痛みと苦痛を伴うため、食事を楽しめなくなってしまいます。さらに総入れ歯は、天然の歯の3割ほどの力でしか物を噛むことができないため、硬い物や繊維の多い食べ物は噛み切ることができません。 しかしオールオン4は、天然の歯の8割〜9割ほどで噛むことができるため、天然の歯の時とあまり変わらない食事を楽しむことができます。またオールオン4だと入れ歯と違い、外れる心配も少なくなり、さらに違和感もほどんどなくなります。また総入れ歯は外してご自身で洗浄する必要がありますが、オールオン4は自分で外す必要がないため、お手入れの手間を省くこともできます。オールオン4は、総入れ歯が合わない人にとても向いている治療法といえるのです。
人前に出ることが多い方
オールオン4は、手術したその日に仮歯を装着することが可能です。通常のインプラント治療は、インプラント体が埋込してから顎の骨と強く結合するまでに3〜6カ月の癒着期間が必要となります。その間は歯が無いことになるため、仕事で人前に出ることが多い方は不便を強いられます。しかしオールオン4は、すぐに仮歯が装着できるので、人前に出てもインプラントの手術をしたことを気づかれずに済みますし、仕事にも支障がありません。
オールオン4が向いていない人
オールオン4は、歯が1本も残っていない人にはとても良い治療方といえますが、健康な歯が残っている人は、オールオン4は向いていません。オールオン4にするためには、健康な歯も抜歯しなければいけないためです。人工歯は、見た目は天然の歯と変わらないように見えますが、天然の歯に勝るものはないため、出来る限り健康な歯は残した方がいいのです。 またインプラントの歯は、人工歯なので痛みを感じることはありません。しかしインプラントの歯周病であるインプラント周囲炎になってしまいます。さらに進行は天然の歯よりも早いので、天然の歯以上に歯や歯茎のケアや歯科医院での定期的メンテナンスが必要になってきます。ご自身でのセルフケアや、定期的に歯科医院に通うことが難しい方はオールオン4は向いていないといえます。
オールオン4などのインプラント治療は、様々な設備や高い技術が必要を必要とします。当院では、多くのケースにおいてノーベルガイドを使用しているため、短時間でインプラント埋入手術をおこなうことができます。さらに術後の腫れや痛みも最小限に抑えることが可能です。また、最新のCAD-CAMが2台とプロセラジェニオン2台を備えており、口腔内スキャンをおこなってから、美しく精度の高いインプラント上部構造の装着までを、最短の時間でおこなうことが可能です。