普段から毎日の食事の後などにおこなう歯磨きですが、正しい歯磨きはできているのでしょうか。実は、意外にも間違った歯磨きを続けている方も少なくないのです。せっかく毎日しっかりと歯を磨いていたとしても、間違った歯磨きを続けていることで虫歯や歯周病の原因にもなってしまう場合もあるのです。それでは正しい歯磨きはどのようにおこなうのでしょうか。正しい歯磨きの方法や、その重要性をご説明いたします。
正しい歯磨きの方法
毎食後に、歯ブラシでただ歯を磨くだけでは正しい歯磨きとはいえません。正しい歯磨きの方法をおこなうことで、虫歯や歯周病を予防できるだけではなく、心身共に健康な毎日を送ることにも繋がるのです。そのためにも正しい歯磨きの方法を知ることは、とても大切なのです。
歯垢がつきやすい部位は意識して磨きましょう
歯と歯の間や、歯と歯茎の境目、噛み合わせの面には歯垢(プラーク)がつきやすいため、これらの部位に歯ブラシの毛先がしっかりと届くように意識して磨くようにしましょう。ご自身で磨く部位の順番を決めて磨くことで、磨き忘れを防ぐことができ、均等に磨くことができます。歯と歯の間についた歯垢は、デンタルフロスや歯間ブラシを歯磨きの際に併用することで効果的に除去することができます。
歯ブラシの当て方や動かし方、力加減を意識しましょう
歯磨きの際、歯ブラシの毛先の当て方や、磨く時の力の加減、動かし方を意識することで、より効果的に汚れを取り除くことができます。 歯ブラシの当て方ですが、主な方法として毛先を歯面に90度にあてて磨く「スクラッピング法」と、毛先を歯と歯茎の境目に45度の角度にあてて磨く「バス法」があります。磨く際に大切なのは、毛先をきちんと歯面に当てることです。磨く方法は、口腔内の状態や磨く部位によって使い分けると効果的です。さらに歯ブラシの「つま先」や「かかと」を歯に応じて使い分けることで、より丁寧に磨くことができます。 磨く時の力は、歯ブラシの毛先が広がらない程度の力で1~2歯ずつ磨いていく感じで、小刻みに歯ブラシを動かしながら磨きましょう。力まかせにゴシゴシ磨いても汚れは落ちないだけでなく、歯茎を傷つけてしまう恐れもありますので注意しましょう。
自分にあった歯ブラシを選びましょう
歯ブラシには硬さやヘッドの大きさなど様々な種類のものがありますが、歯並びや歯の大きさに応じて、使いやすいものを選択しましょう。もしもご自身でどれがいいのか分からない場合は、歯科医院でご自身に合う歯ブラシを教えてもらいましょう。また歯ブラシ本体も、毛先が開いたり、長く使用した歯ブラシでは汚れが落ちにくくなります。そのため歯ブラシは1ヶ月に1本を目安に取り替えるようにしましょう。
正しい歯磨きの重要性
歯磨きの一番の目的は歯垢を除去することです。歯垢は細菌の塊で、虫歯や歯周病などの原因になってしまいます。しかし、歯垢は歯と同じような乳白色をしているため、注意して磨かないと磨き残してしまいます。さらに、ネバネバした粘着性で水に溶けにくく、歯の表面に強くこびりついているので、うがいだけでは取り除くことができません。正しい歯磨きをおこなうことで歯垢を取り除き、虫歯や歯周病にならないように予防することが大切なのです。
歯科医院で定期的なクリーニングをおこないましょう
正しい歯磨きを毎日おこなっていても、すべての汚れを取り除くことは難しいため、歯科医院で定期的な歯のクリーニングを受けるようにしましょう。クリーニングでは、歯科衛生士がスケーラーと呼ばれる専用の器具で歯磨きでは取り除くことができない歯石や着色汚れ(ステイン)を除去します。さらにPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)によって専用の機器を使用することで、歯と歯肉の境目(歯肉溝)に溜まった歯垢や歯石、細菌の集合体であるバイオフィルムまでもきれいに除去することができるため、とても効果的です。口腔内を清潔に保つことで、虫歯や歯周病を予防することに繋がるのです。
歯磨きの目安やタイミング
食事後に歯磨きをしないと食べカスが口腔内に残ってしまい、時間と共に歯垢として歯に付着します。歯垢は放置してしまうと歯石となって歯に付着してしまいます。歯石は歯磨きでは取り除くことが難しく、虫歯や歯周病の原因にもなるため、歯磨きは必ず毎食後おこなうことが大切なのです。健康な歯の場合の歯磨きの目安は、食事後30分以内におこなうことがおすすめです。また朝の歯磨きのベストなタイミングは、朝食後に歯磨きをすることが良いといわれていますが、まず朝起きたときにはうがいをするようにしましょう。うがいをすることで就寝中に口腔内に繁殖した細菌などを洗い流すことができます。それから朝食を食べた後に歯磨きをすることで、食べカスが口腔内に残ることもないため、虫歯や歯周病予防にも効果的です。